どうも、理学療法士の良田です。
今回は、僕の専門分野!腰痛に関する事を書いていきます。
ダイエット中に腰痛になってお困りの方も多いと思います。
腰痛になったせいでダイエットが出来なくなったり、最悪の場合やめてしまったり…。
『腰痛があるから痩せようとした人が、逆に腰痛が強くなる』ような症例も何人も見てきています。
最悪の結末ですね…
そうならないように!ダイエットに伴う腰痛の原因について知っておくのが大切です。
お腹が出ている事が原因
肥満のせいで起こる腰痛の大きな原因には、
『お腹が出ている事』があげられます。
脂肪って、お腹につきやすいんですよね。
下半身太りとか上半身太りとか色々言いますけど、お腹に脂肪が付いていない人は見たことがありません。
内臓脂肪でお腹が出る
お腹には、他の部位と違って皮下脂肪だけでなく内臓脂肪もついてしまいます。
そのため、他の部位よりも脂肪が多くつきやすいんですね。
そして、お腹の中についた余分な内臓脂肪はもれなく前に飛び出します!背中側には背骨があるので前だけです。
妊婦さんを見るとわかりやすいですね。(内臓脂肪と赤ちゃんを一緒にするなと怒らないでください。)
逆に、皮下脂肪が多くついた体は肥満外国人に多くみられるのですが、全身くまなく脂肪がついています。(もちろん、内臓脂肪もついていますよ)
皮下脂肪=全身くまなく
腰痛に大きく関係するのは、お腹が出る一番の原因である
内臓脂肪です。
お腹が出ると、どうなるのか?
お腹が前に出た状態では、体のバランスが崩れます。
体の前部分にお腹という重りがあるせいで、前後のバランスが崩れてしまうんですね。
このバランスを保つために、人は腰を反らします。(専門的に言うと腰椎前弯増大状態)
たびたび妊婦さんを例に出して申し訳ないのですが、分かりやすいので…。
この妊婦さんは、反るだけでなく手で支えてもいますね。ポーズかもしれませんが…。
このように、お腹が出れば腰を反るので負担がかかってしまいます。
さらに、お腹という重りが体から離れれば離れるほど腰への負担は大きくなります。
荷物を持つときに、体から離して持つと余計に重たいのと同じ原理です。
しかし、お腹の出方が小さくても、長時間お腹という重りを支えていれば腰の負担は大きくなるので腰痛は出ます。
特に長時間立っている時に腰痛が出やすい傾向ですね。
以上をふまえ、お腹が出た状態で運動したらどうなると思います?
そうですね、余計に腰に負担がかかります。
ダイエット中の腰痛の大きな原因はこれですね。
一番多いと思います。
腹筋が伸ばされているのが原因
内臓脂肪がつくと、お腹が前に飛び出していきますね。
お腹が前に飛び出していくと、腹筋が伸ばされてしまいます。これは、内臓脂肪が腹筋よりも内側に付くからですね。
腹筋が伸ばされるとどうなるの?
腹筋が伸ばされて、何が悪いの?
そう思われる方も多いと思います。
腹筋だけでなく、全ての筋肉は『伸ばされると力が発揮できない』という性質があります。
それに伴い、『伸ばされると弱くなりやすい』という性質にもなります。
伸ばされた腹筋とコア
腹筋は、コアを形成する重要な筋肉です。
『コア』って聞いたことありませんか?コアリズムとかワンダーコアとか商品名にも使われている言葉ですが、体の中心にあって体(腰)の安定に関わる重要な部分です。
・青:横隔膜
・黄色と側面:腹横筋
・緑:多裂筋
・赤:骨盤底筋群
をそれぞれ表しています。その他、腹直筋の深部や腰方形筋なんかも大事ですね。
簡単に言えば、コアの前方の腹筋が伸ばされてしまうと、
体(腰)の安定が崩れます!
- 『腰は反っている』
- 『腹筋は弱っている』
- 『コアは崩れている』
腰痛にならない訳がありません…。
私も太りだすと内臓脂肪がすぐ多くなるので、腰痛になります。
腹筋が伸ばされていると、安定性が低下してしまうんですね。
ダイエット中、コアが不安定な状態で運動を続けると腰痛が出ます。
たまに、腹筋が伸ばされていても筋力が強い人がいますが、そのような人は腰痛になりにくいですね。
腹筋を鍛えたいのであれば、EMSを使うのも簡単で苦手な人にはおススメ!
産後という特殊な状態
お産、ご苦労様でした。
十月十日、お腹の中で大切に育て、日々お腹が大きくなったことでしょう。
そうですね。
お腹が出て、腹筋が伸ばされた状態にもなっています。
内臓脂肪がなくなってお腹が凹むのには時間がかかりますが、赤ちゃんが出てお腹が凹むのは一瞬です。
骨盤のゆるみはよく言われて、骨盤ベルトをする方は多くいますが、
『伸ばされた腹筋を締める重要性』
についてはあまり言われていないように思います。大切なんですけどね。
お産をしてから年数が経っていても、伸ばされた腹筋が元通りまでは回復していない場合があります。
伸ばされた筋肉は自然に元の長さに戻ろうとしますが、元通りにはなかなかなりません。
「お産をしてから、慢性的に腰痛が出るようになった」と思う方は、腹筋を引き締めることを意識してみてください。きっと変わるはずです。
最近は骨盤の重要性にばかり目が向いていて、基本的な所から目が離れている印象です。
もちろん、骨盤のゆるみはかなり危険なのでベルトはしっかりしてくださいね。
なれていない体と筋力不足
ダイエット中、どんな運動をしますか?
- ウォーキング
- ランニング
- エアロビ
- 体操
- 縄跳び
- ジムの運動
- ブートキャンプ
- などなど…
色々な運動がありますね。
同じ運動ばかりしていても飽きるので、私は色々な運動をする事がいいと勧めています。
でも、なれない体で運動をすると、体のあちこちに負担が来ますよね。
先ほど説明したとおり、太っていると腰への負担が大きくなります。
また、運動するときは色々な動きをしますよね?左右にステップをふんだり、ジャンプしたり。
その動きを支えているは筋肉です。
体の安定に腹筋・コアが重要とは言いましたが、コアだけでは激しい動きを支えきれません。
そこで、全身の筋肉が必要なんです。
体幹の筋肉や脚の筋肉は、動きに伴う衝撃を吸収してくれますし、上半身の筋肉はバランスを保つのに活躍してくれます。
全身的な筋力が足りないと、動きにともなう衝撃の吸収をしてくれませんし、バランスもとれません。
結果、腰に負担がかかり腰痛が出てしまうという訳ですね。
運動が悪い
ダイエット中の運動の基本的な運動に
- 腹筋
- スクワット
- 腕立て
がありますね。ダイエットでなくてもよくやる筋トレ方法です。
このやり方を間違えている人が非常に多い!!
もう、大問題です。
テレビやネットでもよくこのやり方については取り上げられていますが、やる人の事を考えていない!
テレビで紹介された方法を試してみた事がある人も多いかと思います。
続きましたか?
続かないんですよ。ただキツイだけで。
確かに効果のある方法ではあるんです。でも、段階を踏んでいない。
失礼な言い方になりますが、ダイエットしている人はもともと運動が苦手だったり嫌いです。キツイ事が嫌いなんですよね。
それでも「頑張ろう」としている所に、効果はあるけどキツイ運動を紹介するとか…。
ダイエットが続かない原因の一つでもあります。
自分の状態にあった運動をする事が大切です。
また、「〇〇運動がダイエットに効果的らしいよ」と言った噂程度の情報で実行しないでください。
特に、『踏み台昇降』や『トランポリン』なんかは負担が大きすぎます。
腰痛がある人がすべき運動ではありません。もしも腰痛があるのに頑張って続けていたとしたら、今すぐやめて、別の運動をしてください。
どうしても自分に合った運動が分からない人はプロにお任せするのが一番!
RIZAPが有名ですが、その他にもパーソナルトレーニングサービスはいっぱいあるので色々見てみてください!
私はあの手のサービスは大賛成です。
元々、腰痛がある
「腰痛があるから、治すためにダイエットをしよう」という人もいらっしゃるかと思います。
それは物凄くいいことです!!
応援しまくります!!!
愚痴になりますが、明らかに肥満のせいで腰痛があるのに痩せようとしない患者さんが多いんですよ…。筋力や体の動きはかなり良くなっているのに、お腹が出ているせいで腰の負担が減らないんです。
仕方がないので、
痩せないと腰痛がなかなか治りませんよ?
と言うと、
「食べていないんだけどねーなぜか太るのよね」
と返ってきます。
でも、色々聞くと『運動はしていないし、お米は減らしていてもお菓子は食べているし』で、全然痩せる意識が無いんです。
だから、
腰痛を治すためにダイエットを頑張る人は本当に素晴らしいです。
ダイエットを始めて、腰痛が軽くなった人はそのまま続けてください。
でも逆に、
余計に腰痛が強くなった人はいませんか?
前に書いたように、太った状態だと運動での腰への負担が大きいんです。
運動で腰痛が強くなるのであれば、食事療法をしっかりやり、ある程度痩せてから運動をするようにしてください。(腹筋などの、腰痛を改善する運動はした方がいいです。)
無理をして、ダイエットをやめてしまうのが一番の問題なので、無理なく段階的に進めていきましょう。
以上、ダイエットに伴う腰痛の原因についてでした。
腰痛の改善方法についてはこちらの記事をどうぞ!
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