「玄米がダイエットにいい!」と聞いて、玄米を食べている人もいるかと思います。
確かに、テレビや雑誌では称賛の声を多く聞きますし、私自身も玄米食はいいと思います。
しかし、
『食べ方を間違えると、白米を食べるよりも太る結果』になるので注意が必要です。
玄米で太るって、あり得ないでしょ!?
本当に、食べ方によっては太るんです…。
というより、一般的な食べ方でも危険かも…。
「玄米で太るなんてありえない!」と言う人が多いと思いますので、『玄米食で太る理由』を科学的根拠に基づいて解説していきます。
玄米が「ダイエットにいい」と言われる理由
玄米が「ダイエットにいい」と言われる理由は、GI値の低さにあります。
GI値とは?
GIとは食後血糖値の上昇を示す指標、グライセミック・インデックス(Glycemic Index)の略。GIは、食品に含まれる糖質の吸収度合いを示し、摂取2時間までの血液中の糖濃度を計ったものです。オーストラリアのシドニー大学ではグルコースを基準とした場合、
・GIが70以上の食品を高GI食品
・56~69の間の食品を中GI食品
・55以下の食品を低GI食品
と定義しています。
引用:https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/glycemic-index/
そのGI値が、玄米は55~56と、中GI~低GIに区別されています。
白米が70~80の高GIなので、玄米はかなり低い値ですね。
『玄米はGI値が低いので、食後の血糖値を上げにくく、ダイエットにいい!』
と言われている訳です。
しかし、実際の所は玄米食で逆に太る可能性があるんです!
玄米で逆に太る!?
今回、私が参考にしたのは、農研機構の『機能性を持つ農林水産物・食品開発プロジェクト』により実施された研究論文です。
【論文PDF】⇒https://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/pub2016_or_later/files/shokuryo55-19.pdf
我が国の農業と食品産業の発展のための研究開発を行う機関。
農林水産省所管の国立研究開発法人。
本部と5つの地域農業研究センター、7つの研究部門、3つの重点化研究センターからなる。農研機構:http://www.naro.affrc.go.jp/
日本の食を支える研究機関です。
玄米のGI値は調べ方で変わる!
玄米は、『GI値が55~56と低いからダイエットにいい』と言われています。
しかし、この数値を出した測定方法には問題があるんです。
我々が実際に食べる時とは『違った形』での測定なんです。
違う点を挙げると
- 形状の違い
- 水分量と炊飯方法の違い
が挙げられます。
GI値の測定には人工消化液を使い、食品を20分間漬けた後にデンプンが分解されて浮いて出てきたブドウ糖の量を測ります。
この方法で測定しています。
1:形状の違い
上の図で表した方法では、玄米を炊いたそのままの形での測定になっています。
玄米は、言うなれば白米を『米ぬか』でコーティングしているような物なんです。
白米の部分に大量のデンプンがあり、そのデンプンが分解されて糖に変わるのですが、玄米では表面の『米ぬか』で白米部分と消化液の接触を防いでいます。
その為、この形のままでは消化液がデンプン部分まで浸透しにくく、デンプンの分解がされにくいという訳です。
分解されなければ、糖になることは無いので、GI値は減ります。
しかし、この測定方法を我々の食事に当てはめると、玄米をそのまま飲み込んでいるような物なんです。
我々が物を食べる時、噛まずに飲むことはありませんよね?
うどんを噛まないで飲む人と、カレーを飲み物と豪語する人はいるけどね。
そのような測定方法で定められたGI値が、果たして正しいと言えるのでしょうか?
その疑問に対して、先の論文では『破砕処理を施した玄米』を利用することで、より実際の食事に近づけて測定しています。
ミキサーで玄米を砕き、口の中で噛んだ後の状態に近づける処理。
その結果、破砕処理前はデンプンの分解率が40%ほどだったのが、破砕処理後には70%近くまで上昇した。
この結果から、玄米は破砕すると中のデンプンが白米と同量程度出てきて、そのままの形の時よりも圧倒的に糖への分解が進んでしまうという事が分かった。
つまり、玄米は噛めば噛むほど太りやすいという事ですね。
確かに、玄米の中身は白米だもんね…。
比較:白米はどうか?
比較として、白米も同様に実験した結果、破砕処理前70%以上あったデンプン分解率が破砕処理後は65%程に逆に低下した。
白米はつぶせばつぶすほど粘度が高まり『モチ状』となって逆に一塊になり、消化液と触れ合う面積が狭くなった事が要因と考えられています。
逆に玄米は、表面の米ぬかが他の粒とくっつくのを防いでいるのでモチ状にはなりにくく、バラバラのまま。
その『粘度の違い』がこの差を生んでいると考察されています。
白米は、よく噛んだ方がダイエット効果があるという事ですね♪
2:水分量と炊飯方法の違い
玄米は白米に比べ水分を吸い込みにくいので、炊飯器で普通に炊いたのではパサパサして硬く、食べにくくなります。
その為、一般的には炊飯器の『玄米モード』を使い、給水量が増えるようにして柔らかく・食べやすく炊きます。また、玄米の中には表面に傷をつけて給水量が増えるように加工した物もあります。
しかし、『玄米のGI値が低い』と結論付けられた論文のほとんどって、日本人が良く食べている玄米の食べ方よりも給水量が少ないんです。
そこで、先の論文では炊飯条件を変えて、炊きあがったお米を食べた後の血糖値の上がり方を調べています。
その結果、通常モードで炊いた『白米』よりも、加水量を倍に増やして玄米モードで炊いた『玄米』では、食後40分後の血糖値が上昇するという結果になっています。
・白米:約135
・玄米:約170
期待と真逆の結果だ…!!
そうなんです。
玄米を食べて血糖値の上昇を抑えたいのに、逆に上がりすぎるんです。
期待を踏みにじられた気分…。
また、『玄米モード』での炊飯では、最高温度での加熱時間が長いので内部が高温にさらされる時間が白米に比べて長く、柔らかくなるため、デンプンの分解がされやすくなるというのも要因にあります。
玄米食で逆に太る理由をまとめると
白米に比べて玄米は水分量を多くし柔らかくなるように炊き、噛んだ時にバラバラになりやすいので、内部のデンプンが消化・分解されやすくなり、糖を多く生み出してしまうから。
研究室でやっている測定実験と実際に食べた時では大きく変わってしまうんですね。
【まとめ】では、玄米をどう食べたらいいのか?
玄米に含まれる食物繊維とミネラルの摂取目的で玄米を食べているのであれば、炊飯条件は気にしなくても大丈夫です。
美味しくして食べてください。
もうお分かりとは思いますが、ダイエット目的で食べる場合、気を付けるべきは2つ。
- 水分量を多くしない
- 玄米モードで炊かない
つまり、玄米をダイエット目的で食べるなら、普通の水分量で普通に炊いて食べる。そして、噛みすぎない事。
美味しくない玄米ってわけだね…。
そうですね。
お米を食べるなら、こんにゃくご飯や高アミロースの低糖質米の方がよさそうです。
あとは炊飯器を糖質カットのに変えるか…。
【こんにゃくご飯】
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どうしてもお米を食べたい時の食べ方は、コチラで紹介しています。
この話題に関しては以上です!
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