「カロリー」と聞くと、ちょっとギクッとしてしまいませんか?
「低カロリー」と聞くと安心感を覚え、「高カロリー」と聞くと拒否反応が出てしまうのは、世のダイエッターの常だと思います。
カロリー!!
えっ?カロリー?(ガクガク…)
でもっ!
実はそんなの気にしなくていいんです!
カロリーは怖くない!!!
それには、カロリーについて『そもそも論』から初めていかなければいけません。
カロリーとは?
カロリーは、こう定義されています。
熱量の単位。記号cal一気圧の下で一グラムの水の温度をセ氏一度だけ高めるのに要する熱量。一カロリーは約四・二ジュール。 食品の栄養価をあらわす単位。普通、カロリー⑴の千倍。
難しいこと抜きで『カロリー』と聞くと、こんな感じのイメージじゃないですか?
↓
でも、
元々は、カロリーってこういう事だったんです。
↓
『人の体の中で、食べ物が燃えるために必要なエネルギーの事』をカロリーとイメージする人が多いと思いますが、実際には『カロリーメーターと呼ばれる機械の中で物を燃やした時に、どれだけのエネルギーが出たか』の単位なんです。
しかも、元々は食べ物の事を指す単位では無く、石炭の為に使われていた単位なんです。
『石炭の質が悪いと、あまり燃えずカロリーが低い』
その後、熱量を表す単位として石炭以外の色々な物でも同じように使われるようになりました。
食べ物にも使われるようになり、食べ物に対する使われ方が一般的になり市民権を得てしまったので、今の日本ではカロリー表示は食品にしか使われていません。
それでもカロリーは気にしなくていい!
元々の使い方とは大きくかけ離れてしまったカロリー。
工業の世界から食品の世界へと大きく羽ばたいていきました。
問題となっているのは、大きく羽ばたいている時に道を反れてしまい、違う所に着いてしまった事。
そして、目的地とは違う所で繁栄してしまった事…。
カロリーは、『物を燃やした時に産まれるエネルギー』の事です。
石炭などを機械の中で燃やした時に使われていた単位を、『食べ物が体の中で消費されるのに使う労力の事』に転用するのは、少々暴力的な使い方ではないでしょうか。
そもそも、機械の中で燃やすのは、見たまま火でメラメラと燃えています。
でも、人間の中で『燃えている』とか『燃焼する』とかの表現は物の例えでしかなく、実際の所はせいぜい生ぬるくなる程度です。
人間の体温は37度程度ですからね。
生ぬるい状態で、食べ物が燃えますか?
燃焼できますか?
カロリーを求める計算式のムリヤリさ
食品のカロリー計算式は、19世紀に産まれた、かなり古い方法です。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E7%90%86%E7%9A%84%E7%86%B1%E9%87%8F
食べ物のカロリーを求める計算式は以下の通りに定められいます。
ハンバーガーを燃やして出たエネルギーが1000だとして、食べた後に出た排泄物を燃やして出たエネルギーが400だったとしたら、ハンバーガーのカロリーは600となります。
でも、人間の中では火は起こりません。消化しているだけです。
同じように扱うのには疑問を感じますね。
また、出た排泄物の中には食べカス以外の物も多く含まれています。
排泄物のうち、80%は水分ですが、残りの20%のうち33%は剥がれた腸の粘膜・33%は腸内細菌・33%が食べかすです。
残り20%のうち、食べカスが100%を占めるなら計算式は成り立つでしょうが、ここまで割合が低いのに正しい数値が出る訳が無いんですね。
また、腸内細菌の数は人によってバラツキがありますので、なおさらいい加減な数値が出てしまいます。
話は変わりますが、ダイエットにおいて大切な腸内細菌がここまで大量に排出されるのはショックですね…。
カロリー最大の欠点
カロリーは、機械の中で実際に燃やして測ります。
そこに大きな欠点があります。
物には、燃えやすい物・燃えにくい物があります。
例えば、カロリーの高い物の代表格に『油や脂肪』が挙げられます。それは、性質上よく燃えるからカロリーが高く計測されているんです。
では、木や落ち葉はどうですか?
よく燃えますが、食べたところで太るようなものではありませんよね。
つまり、
カロリーが高いからと言って、太る訳では無いんです。
カロリーが繁栄した弊害
カロリーが絶対的なものであるように言われ続けてきました。それこそ、19世紀に発明された計算式が、21世紀である今でも…。
『食事制限=カロリー制限』という考えで、基準としては適当ではないカロリーを基準にして、色々な研究がなされてきました。
そのため、様々な弊害が生じています。
代表的な例でいえば、『糖尿病』です。
※生活習慣から起こる、二型を例にしています。
糖尿病の人は、体の中で糖を分解する能力が落ちてしまった為に、血液の中の糖の割合が高くなっています。そのせいで血液がドロドロになり、血管系の障害を起こしやすい状態です。
その治療でよく言われるのが
- 運動療法
- 食事療法(糖尿病食)
です。
この食事療法なのですが、基本的には『カロリー制限』を行います。
そのため、脂肪を抜いたりお米を少なくしたりと、量を減らします。
お米の量を少なくするので糖質は多少減りますが、それでも糖質の総量としては多い場合があります。
また、食べる量が減るのでお腹が空き、運動をする余力がなくなることもあります。我慢できずに間食してしまう人も多く見ています…。
運動もせず、間食までしてしまい、さらには体が分解できないほどの糖質を摂取してしまう『カロリー制限食』
案の定、血糖値は下がらないので薬で抑えるケースも多々あります…。
果たして正しいと言えるのでしょうか?
糖尿病なら、糖さえとらなければ他の物は食べても大丈夫なんです。食べる物さえしっかり考えればカロリーは多く摂取しても大丈夫なんです。
簡単なことなんですけど、色々な利権が絡んでくるので現実は難しいんですけどね…。
この事について、宗田 哲男という1人の産婦人科医が、学会と戦ったエピソードが載っている【ケトン体が人類を救う】という本は大変参考になります。(妊娠糖尿病と糖質制限の事が主に書かれています。)
⇒ケトン体が人類を救う~糖質制限でなぜ健康になるのか~ (光文社新書)(Amazon)
⇒https://www.amazon.co.jp/kindle-unlimited
工業の世界から食品の世界へと、華々しく羽ばたいてきたカロリー。
間違った方向へと飛んでしまい、
間違った場所で繁栄してしまいました…。
では、何を気にすればいいの?
太る原因になる物はただ1つ。
そうです。
『糖質』です。
糖質だけが体脂肪になります。
それ以外の、タンパク質や脂肪などは、過剰に摂取しても排出されます。(下の図の『食べカス』の所に含まれます。)
糖質だけが、使い切らなかった余計な分を蓄えてしまうんです。それが、憎い体脂肪に変わります…。
カロリーは関係ない。
また、カロリーや糖質をオフにするために、人工甘味料を使った商品が多くありますが、それは逆に健康被害を生む可能性もあります。
人工甘味料を摂りすぎることで腸内細菌が死んでしまうことが最近の研究で分かっています。
頑張って増やした腸内細菌を殺したくない…。
糖質制限でも、摂る物は考えていかないといけませんね。
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